国の重要無形民俗文化財に指定されている「六郷のカマクラ」は、2月11日から15日にかけて行われます。
豊作、安全繁栄を祈る「年ごい」、凶作や不幸を除去する「霊魔払い」、そしてその年の吉凶を占う「年占い」の三つが一体となった行事です。
観光化の進む東北地方のカマクラ行事の中でも、伝統的な姿を最もよく保ち、住民の伝承意欲も高いことから、昭和57年1月14日に国の重要無形民俗文化財に指定されました。
行事の始まりは、京都御所「左義長」の古書焼きの遺風をうつしたものといわれており、鎌倉初期に二階堂氏が六郷の地頭となった頃から、豊作祈願の祭りとして続いています。
11日の蔵開きと天筆書初め、12日の小正月市と天筆掲揚、鳥追い小屋造り、15日の天筆焼き、竹打ち、そして鳥追いと続く、これら一連の行事を「六郷のカマクラ」と呼び、この形が定着したのは江戸初期ごろといわれています。
祭りのクライマックスは15日晩の竹打ち。南北の軍に分かれた町の男衆たちが青竹で打ち合う合戦で、北軍が勝てば豊作になり、南軍が勝てば米価が上がると伝えられています。合間に天筆焼きが行われると、かがり火の周囲は神々しい雰囲気に包まれます。